世界で一番似ている赤色
「一緒にいると楽しい。やりたいことたくさん出てくる。もっと会いたくなる」
めちゃくちゃ恥ずかしいことを言っているんだろうけど、関係なかった。
優にぃはわたしの頬にすっと手を当てた。
震える指の温度が気持ち良かった。
「後は?」
いつの間にか彼は攻めるようにわたしを見つめていた。
イジワル言ってくるときの顔だ。
そっちだって、ドキドキしてるくせに。ずるい。
「……そうやって、イジワルしてくるとこも嫌じゃない」
「ふーん? で?」
顔が近づいてくる。おでこがくっつく。
近すぎる距離で目が合う。ドキッと心臓が震える。
顔が赤くなっているかもしれない。
でも、彼の視線はわたしを逃がしてはくれない。
「くっつくと、すっごくドキドキする。幸せだって思う。わたしには優にぃがいなきゃダメだって思う」
鼓動が早くなりすぎて、どうにかなってしまいそう。
指で髪の毛がとかされる。唇が近づく。
キスされると思い、目を閉じた。
しかし、彼は軽く口角を上げ、「もうないの?」とささやいてきた。
彼は今、わたしの様子を楽しんでいる。
それを嫌じゃないと思っていることも、きっとバレている。