世界で一番似ている赤色


「あの、あの、何言ってるの!?」



顔を熱くして困るわたし。


彼はいたずらそうに笑い、こう言った。



「発散」



わたしだって、優にぃに思いっきり抱きしめられたい。


怖いけれど、優にぃとなら、という気持ちはある。



「もう! ……ばか」



どこまでが許されて、どこまでがダメなんだろう。


これから、どれだけ苦しむことになるんだろう。



もちろん覚悟はできている。


彼も今の様子から、きっとわたしと同じ気持ちであることがわかった。




「あー腹減ったー。ご飯どうしよー」


「そうだなぁ……わたしは、海鮮どーん!」


「いてっ! 仕返し! 二色どーん!」


「いたーい! マグロどーん!」


「かにかにどーん!」


「西郷どーん!」


「ウルトラソール!」



などと体当たりしながら、笑い合う。



たわいのないふざけあいをしながらも、わたしは強く思った。



何があっても、この恋を守り抜きたい。


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