世界で一番似ている赤色
3
☆
異様な黒板の風景は、ラインで拡散されたらしい。
廊下を進むごとに、いろんな目が向けられた。
――あの子だよ、信じられない。気持ち悪い。生理的に無理。
なんか闇持ってそうって思ってたけど、まさかねー。
――でもあの写真、結構絵になってたよね。
わかるー。美男美女だし。
小学生の頃に生き別れたんでしょ? ちょっと運命的じゃない? 禁断の愛って感じ~!
――なー、やることやってんのかな。だとしたら、きんしんそーかんってやつじゃん。
お兄ちゃんやめて、いやっ! みたいな? うーわもろえーぶいじゃね?
ばか! 声大きいって!
好奇の視線に押しつぶされそうになる。
でも、優にぃへの気持ちは確かなものだ。負けてたまるか。