世界で一番似ている赤色


へなっと腰が抜ける。


ぽろり、と一粒、涙がこぼれた。



「好きになったらしょうがないよね。しかもカレ超かっこいいじゃん。あたし写真見せてもらったことあるから、この前、実物見た時すぐわかったよ!」



朱里ちゃんには優にぃとのことをたくさん話した。写真も見せた。


共有してよかった、と思えた。



「そう。好きなの。ダメなのはわかってるけど、好きなんだよぉ」



糸が切れたようにぽろぽろと涙がこぼれていく。


朱里ちゃんは「よしよーし」と頭を撫でてくれた。



自分の気持ちを認めてくれる人がいるって、嬉しいことだ。


それがダメなことだとしても、見守ってくれる人がいるだけで安心した。


勇気が出てきた。



帰る前に、優にぃに連絡をした。



『お母さんにバレたかもしれない』



すぐ返事がきた。



『覚悟はしてた』


『話しなきゃいけないね』


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