世界で一番似ている赤色


なんなんだ今の状況は。


言いたいことを全部吐き出したせいか、体に力が入らない。


川瀬くんに非難の視線が集まっている。


いたたまれなくなったのか、彼は教室を飛び出した。



わたしたちも教室にいたくなくて、1時間目が始まるまで、大和くんと非常階段にいることにした。



「俺、お前の気持ちやっぱ分かんねーけど、あの川瀬の発言はヒドいわ」


「え……」


「ああいうヤツがいっぱいいるから、お前みたいな恋愛してる人がよけい苦しむんだろうな。言われなくても自分でいっぱい苦しんでるはずなのに」



しみじみと大和くんはそうつぶやく。


何か彼は彼で思うことがあるようだ。



「てかこれ、優さんにバレたら、川瀬のヤツ消されるかもな」



大和くんはそう言い、わたしに笑顔を向けた。



よく昔、優に怒られていた大和くん。


そんな彼の発言に思わず笑ってしまった。


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