世界で一番似ている赤色
次の週も4人でご飯を食べた。
慣れてくるとわたしも男性に笑顔を向けられるようになり、澄花ちゃんともアイドルやおしゃれの話ができるようになった。
抵抗する理由はなかったし、お母さんが楽になるならそれでよかった。
ただ、その男性と娘の澄花ちゃんは隣町の一軒家で暮らしているらしい。
もしその2人が新しい家族になるとしたら、今のマンションから引っ越しをしなければならない。
そうしたら学区が変わる。
公立中学に通うわたしは転校が必要になる。
せっかく友達ができて、遊びに行く仲にまでなれたのに。
「サーヤちゃん、この中で誰が一番タイプ?」
部活休みの週。わたしは友達の家にいた。
本当は期末の勉強を一緒にするはずだったけれど、つい雑談の方に夢中になる。
友達が指さしたのは、壁に貼ってあるイケメン系アニメキャラ軍団のポスター。
わたしは悩みながら、それをじーっと眺めていた。
「うーん。誰がいいかなぁ。うーーーん」
「あはは! サーヤちゃん悩みすぎ! 直感でオッケーだから!」
明るい髪の毛の男子、背の高いメガネ男子、猫耳が似合いそうな可愛い系男子。
みんなかっこいいけれど、ある1人の男子に目が止まった。