世界で一番似ている赤色
「わたしはこの子かなぁ」
指さした先は、大人っぽいんだけど、いたずらっぽい感じも残した男の子。
ちょっと優にぃに似てるかも。
「なるほど~ルイくんか! いいよね!」
「サーヤちゃんの好みわかったかも。美術の早野先生とかタイプでしょ!」
「えー。あの先生は違うよぉ」
キャッキャと笑い合うわたしたち。
わたしの転校が決まれば、離れなきゃいけなくなる。
仲良くなればなるほど、さみしさが増した。
しかし、もうすぐ夏休みに入ろうとした時、事件が起きた。
次の授業は体育だった。
「サーヤちゃん更衣室行こう」と友達2人に誘われ、3人でキャッキャと廊下を進んでいる時。
「なにがサーヤちゃん、だよ。だっさ!」
後ろからぶつけられたのは、クラスの上位女子たちの汚い声だった。