世界で一番似ている赤色
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☆
――急にいろんなことがありすぎて、気持ちが追い付かなかった。
でも、お母さんが少しでも楽になるなら、転校も再婚も受け入れる。
心配かけてごめんなさい。
お母さんにそう伝えた。ついでに授業をサボったことも謝った。
「ありがとう。お母さんこそ綾のこと振り回して、ごめんね」
お母さんは早く帰るようになり、ほぼ毎日一緒に夜ご飯を食べた。
時々、新しい家族になる男性と女の子も交えて食事をした。
いろんな手続きは進められていった。
わたしは夏休み中に、隣町の中学へ転校することになった。
そのことで変な噂をされるのが嫌だったため、先生には口外しないようお願いした。
教室では1人になった。
期末テスト期間に入ったため、必死に勉強して気を紛らわせた。
帰り道で、大和くんに話しかけられた。
「お前、転校するの?」
「うん」
学校を離れる身だから、大和くんと一緒にいるのを見られても大丈夫だろう。
そう思い、一緒に帰ることにした。
ずっと突き放していたことに申し訳なさも感じていたから。
「ありがとう、大和くん。掃除のこととか、体育の時に保健室連れて行こうとしてくれたこととか」
そう伝えると、彼はびっくりした表情になった。
ほんのり頬が赤く染まっているようにも見えた。しかし。
「俺こそごめん。ツレに言われたけど、俺ってモテるらしいじゃん。そのせいでお前が女子に目付けられたとか……」
と真面目な顔で言われたため、
「それ、自意識過剰」
といじわるをぶつけておいた。