世界で一番似ている赤色

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――急にいろんなことがありすぎて、気持ちが追い付かなかった。


でも、お母さんが少しでも楽になるなら、転校も再婚も受け入れる。


心配かけてごめんなさい。



お母さんにそう伝えた。ついでに授業をサボったことも謝った。



「ありがとう。お母さんこそ綾のこと振り回して、ごめんね」



お母さんは早く帰るようになり、ほぼ毎日一緒に夜ご飯を食べた。


時々、新しい家族になる男性と女の子も交えて食事をした。



いろんな手続きは進められていった。


わたしは夏休み中に、隣町の中学へ転校することになった。


そのことで変な噂をされるのが嫌だったため、先生には口外しないようお願いした。



教室では1人になった。


期末テスト期間に入ったため、必死に勉強して気を紛らわせた。



帰り道で、大和くんに話しかけられた。



「お前、転校するの?」


「うん」



学校を離れる身だから、大和くんと一緒にいるのを見られても大丈夫だろう。


そう思い、一緒に帰ることにした。


ずっと突き放していたことに申し訳なさも感じていたから。



「ありがとう、大和くん。掃除のこととか、体育の時に保健室連れて行こうとしてくれたこととか」



そう伝えると、彼はびっくりした表情になった。


ほんのり頬が赤く染まっているようにも見えた。しかし。


「俺こそごめん。ツレに言われたけど、俺ってモテるらしいじゃん。そのせいでお前が女子に目付けられたとか……」


と真面目な顔で言われたため、


「それ、自意識過剰」


といじわるをぶつけておいた。


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