世界で一番似ている赤色


途中、2人でコンビニに寄った。


シュークリームを買ったわたしに対し、朱里ちゃんは飲むヨーグルト。


いつもはチキンをぺろりと食べるのに。



「朱里ちゃん。珍しいね、それ選ぶの」


「夏休みなったら彼氏と海行くからダイエット中~」



朱里ちゃんはそう答え、頬をキュッと上げて笑った。



彼氏とラブラブな朱里ちゃんは幸せそうだ。


彼氏がいるってどんな感じなんだろう。


友達との毎日はもちろん楽しいけれど、それでは味わえない喜びがあるのかな。



ぽわーんと優にぃのことを思い出した。


電車で彼にもたれかかった時、離れたくないって強く思った。


友達と過ごすときとは違う、正体不明の感情に襲われた。


もちろん嫌じゃない。むしろ、幸せだった。



いや待て。優にぃは違う違う! 危ない危ない!



「ちなみに、彼氏さんとキスとかするの?」とひそひそ声で聞くと、「もちろん!」とのこと。



「キスって超ヤバいよ! 嫌なこと全部忘れちゃうし、ケンカしても全部許せちゃう!」



きゃーーー!


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