世界で一番似ている赤色


――ピポン!



「うわっ!」



宿題をしている時、突然スマホが軽快な音を発した。


画面に表示されたのは、優にぃの名前とメッセージ。


飛びつきたい気持ちを抑え、まずは音量をオフにする。


お母さんにバレてないよねというビクビクさと、返事が来たというワクワクさに包まれながら、ラインを立ち上げた。



『綾、久しぶり。元気だった?


連絡くれて嬉しいです。


久々に会おうよ。いつがいい?』



嬉しい気持ちがわきだしてくる。



軽い気持ちで『会いたい』って送った。スルーされると思った。


本当に会えるんだ。


いつがいいかな。ちょうど次の土曜日、お母さんは仕事でいない。



慣れない文字入力を頑張り、すぐメッセージを返した。


優にぃからもすぐ返事があり、2往復で話がまとまった。



会うのは来週の土曜日、場所は電車で30分ほどの街になった。



優にぃと最後に会ったのは、わたしが小5の時。


今わたしは中2になり、優にぃは高1の年だ。


ってことは、3年ぶりくらいの再会かぁ。優にぃもとからイケメンだったけど、さらにカッコよくなってるかな、なんて。


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