世界で一番似ている赤色
到着したのは、3階建ての古めマンション。
建物に入り通路を進む。雨の音が響く中、優にぃがつけた足跡を追う。
彼は1階奥のドアを開けた。
ここに優にぃは住んでるんだ。
「おじゃましまーす」
軽い緊張感に包まれながら、玄関に入る。
ロングスカートに染み込んだ水分を手で払っていると。
「げー、びしょびしょ。タオル持ってくる」
優にぃはささっとサンダルを脱ぐ。
そして……
「(きゃーっ!)」
なんとTシャツもばっと脱いだ。
顔を両手で隠しつつも、指と指の隙間をあけてしまうわたし。
彼の後姿をのぞき見る。
突然の上半身はだか! 細いのに筋肉ある! せくしーすぎる!
鼻血出てないよね、わたし!
タオルを持って戻ってきた頃には、ちゃんと新しいTシャツを着てきてくれた。ふぅ。
しかし、
「顔、赤いよ。大丈夫? 体冷やした?」
と言って、彼は顔をのぞきこんできた。
「だ、大丈夫っ。ふぇっくし!」
うわーこのタイミングで見事なくしゃみ。
うう、恥ずかしい。