世界で一番似ている赤色
顔を熱くしながら、恐る恐る優にぃを見上げた。
「あはは、大丈夫じゃないじゃん」
彼は軽く笑い、でも、すぐ真顔へ戻した。
「…………」
近い距離で目が合う。ドキッとする。
彼もまた髪の毛が濡れていて、えりあしや前髪のはじっこが束になっていて、いつもと少し違う雰囲気で。
すごくかっこいいと思った。
「……っ!」
彼は手を伸ばし、乱れただろうわたしの前髪に触れた。
鼓動とともに体が一瞬、びくりと震えた。
前髪に指が通される。撫でるように優しく整えてくれる。
どうしよう、ドキドキしすぎて体が動かない。
彼の視線や感触が熱くて、どうにかなってしまいそう。
こんなのおかしい。逃げなきゃ。
でも、このままでいたい。
いや……ダメだ。
ぎゅっと目をつぶり、今おでこでてるよな、まゆ毛整えたっけ、と必死に違うことを考えた。
すると、ばさっとタオルがかぶせられ、視界がふさがった。
「ほら、早く拭いて。着替えも貸すから」
「ぎゃー!」
わしゃわしゃとタオルが動かされる。
体が熱い。顔も更に赤くなっていそう。タオルで隠れてよかった。