世界で一番似ている赤色


というわけで、


「はっきり写ってないけど……これ」


遠目から撮った写真を見せることに。



朱里ちゃんは二本指で画像を拡大し、スマホに顔を近づけてから、


「やっば! 超イケメンじゃん! 綾ちゃんすごーい!」


とテンションを上げた。



「まあ、かっこいいっちゃかっこいいかも……」



わたしも嬉しい気持ちになった。


優にぃのことはもちろん、自分の想いも肯定されたような気がしたから。


恋バナって、楽しいんだなぁ。



しかし、


「で、キスした?」


とこそっと聞かれ、ボッと顔が熱くなった。



「してないしてない! ってか、付き合ってないから!」



体も火照ってきて、手でぱたぱたとあおぐ。


やばい綾ちゃんかわいい~と言われ、さらに照れくさくなる。



結局、「そのカレと何かあったら、いちいち報告すること!」という約束ごとを設けられた。


ひぃ~! 協力してもらえることになったけど、これは大変かも~!


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