世界で一番似ている赤色
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☆
それから朱里ちゃんとお互いアリバイを作った上で、優にぃと会った。
本当に朱里ちゃんや美佳ちゃんと遅くまで勉強もした時もあった。
おかげで少しずつ成績もよくなり、無事T南への合格圏内に入った。
朱里ちゃんはまだギリギリ。美佳ちゃんもT南を目指すらしく、一緒に頑張っている。
「優にぃ、じゃなくて、優、待ってよ~」
「……はい」
人混みで優にぃを見失いそうになり、慌てて追いかける。
横目でわたしを見ながら、彼は手を差し出す。
つなぐと、必ず一度、目をそらす。
照れてるのを隠すような仕草がかわいくて、ぎゅっと彼の手を握りしめた。
「綾。くっつきすぎ。暑い」
「えへへ~。だって優がかわいいんだもん」
「俺が? どこが?」
わたしたちは出かける時、手をつなぐようになった。
本当にデートしているみたい。
ってかこれ、完全にデートって呼べる行為だよな。
「うわ、もうこんな時間かぁ」
優にぃといると時間の進みが早くなる。
カフェでだべったり買い物をしているうちに、もう夕方になっていた。
お腹がすき、デパートのレストラン街で食事をすることに。
オムライスを食べたため、「そういえば。綾のオム焼きそば美味しかったなぁ」と優にぃに言われ、
わたしは「また作りに行くよ」と約束した。