世界で一番似ている赤色
「…………」
彼は困った顔になりながらも、わたしに手を差し出してくれた。
嬉しくてすぐに駆け寄り、彼の手をぎゅーっと握りしめた。
「手。痛いよ」
「ええっ? わたし握力15しかないよ?」
「それなさすぎ。俺、結構あるよ」
「いたたたた! ちょ、本気出さないでよ!」
目を見合わせて笑い合う。幸せだなぁって思う。
どうしよう。
離れることが決まっているのに。
わたし、優にぃのことが大好きだ。