世界で一番似ている赤色
泣かないようふんばりながら、彼との時間を楽しんだ。
「高校はどうするの?」
「今のとこ辞めて、通信に入り直す予定」
「そっか。じゃあ言葉が分かんないからってフトウコウになることはないね」
「そこいじってくるの? はぁ、中学時代のこと綾に言わなきゃよかった」
「なにそれー! 優だってわたしの前の中学での黒歴史、全部知ってるじゃん!」
「黒歴史言わないの」
あの時は、優にぃだけが頼りだった。
久しぶりにあえて、そこからわたしの毎日は変わった。
いいことばかりじゃなかったけれど、優にぃとの思い出は全部、宝物だ。
『俺と綾のつながりは消えない。そうでしょ?』
うん。そうだよ。消えることは一生ない。だから、きっと大丈夫。
今はもう大切な友達もいる。新しい家族もいる。
彼氏だってできちゃうかもしれない。
優にぃのいない毎日でも、やっていける。
――本当に?