桜恋色
「それ……複雑」



鼻をすすりながら言い返すわたしに、



「さっき桜重さんも撫でたから……お返しです」



恥ずかしいからやめて……なんて言えず、



椎名くんの手のひらに甘えるわたしは椎名くんの言う通り、



見た目ほど大人っぽくは無いのかもしれない。



可愛い笑顔とは反対に、



大人っぽい内面の椎名くんとわたしって……、



ピッタリなんじゃない?



そう思うだけで、



今のわたしは幸せなんだ……。
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