桜恋色
祝福されない恋
「アンタ……中学生と付き合ってんの?」


「えっ!?」



大きめの教室でお昼を食べていたわたしに、



隣に座っていた瞳実が、こう言ってそっと耳打ちをしてきた。



「なんか……田宮さんたちが噂してたよ……」



今度は向かいに座ってる園花も心配そうにわたしを見ている。



「…………」



田宮さんっていうのは、同じゼミの女の子で、



男の子も女の子も混じった大きなグループの中心的人物。



外見も生活も性格も煌びやかっていうか、派手っていうか……。



とにかくどこの世界にも居る女の子だと思う。



別に関わりがあるわけじゃないから気にしなきゃ済むんだけど、



田宮さんの方にそのつもりは無いみたい。



なんでも、



田宮さんと付き合っていた彼氏が田宮さんと別れた理由が、



わたしに告白する為だったらしい……。



結局その告白も、そんな背景があったとは知らずに断ったけど、



それが田宮さん的にはムカついたんだって、瞳実が説明してくれた。



逆恨みも良いところだ……。
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