桜恋色
即座に噛み付こうとする瞳実を制止して、



わたしも出来る限りのイヤミとキラキラの笑顔を返した。






その後の講義なんて全く頭に入らなかった。



講義中ずっと、



「中学生と付き合ってるなんて神経疑う」


だのなんだの陰口を叩き続ける田宮さんたちをわざと無視して、



机に頭を突っ伏した。



強烈な登場だったおかげで、同じ教室に居た他のゼミの人たちまでが興味本位で何か言ってる……。



伏せて暗くなった視界で、



わたしは自分に何度も問いかける。




五歳下の男の子を好きになるのは、



そんなに白い目で見られるようなことなの?
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