ドSで腹黒な先輩に恋しちゃった

中途半端

「ねぇ、ココ。
昨日約束したよね?できるようにしとくって。」



『あ、ははは。・・・すみません。』



明らかに怒っている目の前にいる人と目を合わさないように、手元の鍵盤に視線を下す。



『難しいんだもん、一日でできるわけないじゃん。』



「なんか言った?」



ぼそっと聞こえないようにに言った言葉も、聞こえたらしい。



『鬼いじわるな先輩め・・・』



次こそ聞こえてないだろう。
ちらりと視線を上げるときっちり目が合ってしまった。



思わず肩がピクリと動く。



やば、今のも聞こえてた?
殺されるー。



「はぁ。
難しくてできませんでした。じゃ通用しないって。
何回も言ってるし、俺よりも分かってるはずなんだけどな。」



『い、いや。そうなんですけどね・・・
さすがに昨日の今日じゃできませんよ。』



そうだ、昨日できなかったところが今日急にできるわけがないじゃん。
こういうところが鬼なんだ。
もっと後輩には優しくしてよね。
特に私とか、私とか、私とか!私とか!!
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