ドSで腹黒な先輩に恋しちゃった
「よく言うよ。
実技テストの前日に曲変えるなんて前代未聞のことをしたくせして、トップをとっちゃうリョウちゃん。
もっと俺が厳しくしないと真面目にやってくれないのかな?」



さっきの不機嫌さはどこへやら。
にやりといつも以上に黒い笑みを浮かべた先輩がシャーペン片手に横にやってきた。



これ以上近くに来られたら困る。
だって、だって・・・



『痛い。痛いよ!』



だって、先輩に頭つぶされちゃう!



先輩の片手は私の頭に置かれていて、傍から見れば甘いシーン。
実際は、鷲掴みされているだけ。
甘さのかけらもない。



「もっと真剣に取り組む?」



『取り組む!取り組みますから!!
はいっ。』



だから早く離してください。
このままじゃ、頭がなくなってしまう。



「はぁ。
全く、最初から真面目にやってほしんだけど?」




ぱっと頭から手を離した先輩は何事もなかったかのように楽譜にチェックをつけている。
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