ドSで腹黒な先輩に恋しちゃった
「怒らせたくないなら、練習してくることだね。
分かった?リョウちゃん。」



『ね、先輩。
分かってないのはそっちですよね?
それ、わざとですか??』



さっきからずっと人の名前をなんだと思ってるんだ、この先輩は。



「ん?なんのこと??
リョウちゃんは、遼ちゃんでしょ。」



なんのこと?
と悪びれもなくニコッと笑っている。
爽やかに笑うそいつを、年齢とか関係なく殴りたいと思ったのは許して欲しいな。



『リョウじゃなくてハルカなんですが?』



そう、私の名前は遼。
リョウって読みたくなるだろうけどハルカだからね?
リョウって呼ばれるの嫌じゃないけどさ。



『だいたい先輩だってサクラじゃないですか。
名前と性別よく間違えられますよね?
運命じゃないですか?私たち。』



もちろん、運命なんかじゃない。
でも、からかい返しにそう言ってやった。



どうだ、ざまーみろ!




フンっと鼻を鳴らして先輩の方を向けば、さっきの笑みはどこへやら。
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