ドSで腹黒な先輩に恋しちゃった
「は?じゃないよ。
何でもしてくれるんでしょ?サクラ先輩のために。」



譜面から顔を上げてニヤリと笑う先輩の姿を見て確信した。



『初めから、それが狙いでしょう。
こんのドS腹黒クソ先輩!』



年上を敬えとか、今はもうそんなこと気にしてられない。



「なんとでもどーぞ。」



余裕のある笑みを向けてくる先輩に今度は殺意が芽生えた。
耐えろ、耐えるんだ。わたし。



「明日、暇だよね?
どうせ、ピアノも練習しないでしょ??」



『なんで、予定がない前提で話を進めようとするんですか?』



「え?あるの??」



『・・・ないですけど。』



「けど?
じゃあ、ピアノの練習??」



『いや、しませんけど。』



「あぁ、もう。
さっきから、けどけどうるさいな。」



『いや、だって。』



「けどの次はだって?」



『・・・』



「ねぇ、遼ちゃん。」
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