最初で最後の愛を君に
不思議な男の子
「…何してるの?」
誰もいない公園のブランコに座っていると声をかけられた。
顔を上げると小学1年生くらいの男の子が立っていた。
男の子は私と目が合うとニコリと微笑み隣のブランコに座り、私の方を見る。
「また、嫌な事でもあったの?」
そう言うと、男の子はブランコの上に立ち、こぎ始める。
「え…?“また”……?」
「あ!違う違う!今のは言葉の綾と言うか…!?」
「…フフッ。何それ」
慌てる男の子が面白くてつい笑ってしまった。
それを見た男の子は嬉しそうに微笑む。
「良かった!…お姉さん笑ってくれた」
優しく微笑む男の子に思わずドキっとする。
……いやいや。相手は子どもだしドキッとか可笑しいし………
私は男の子から顔を背け、気づけばポツリポツリと勝手に言葉が溢れていた。
「今日、幼馴染の命日なの……。私がちょうどキミくらいの時にね私が殺したの……」
「殺した…?」
「……喧嘩して……今思えば本当に些細な事で馬鹿らしい理由なんだけどね。……それで走って逃げて誤って道路に飛び出しちゃって……車に跳ねられそうになった私を追いかけてきた幼馴染が庇って…それで……ッ…」
涙で言葉が詰まってしまう私に男の子は『そっか…』と呟くだけだった。
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