最初で最後の愛を君に
あぁ、もう時間なんだ。
直感で私はそう思った。
「待って!!!」
私はスゥーと息を吸い込み、彼に向かって大きく叫んだ。
「約束する!私は恋して彼氏作って失恋して……大人になって結婚して子ども作って幸せになる!それでアンタが悔しがる位の私の幸せな話を沢山聞かせてあげるんだから!……覚悟しててよね!!」
静まり返った公園に私の声だけが響く。
オレンジ色だった空はすっかり暗くなっていた。
さっきまで居たはずの彼の姿はどこにも無い。
だけど最後にハッキリと聞こえた。
━━━“約束だからな”
そう言って笑う彼を私はいつまでも忘れない。
「うん。……約束だよ」
キラキラ輝く星を見上げながら、私は静かにソッと涙を流した。
━━End。