雨の降るここでお日様が手を差し伸べる
叶夢先生が病室を出たあとも、私は不安でいっぱいだった。





注射でさえ、怖くて怖くていつも先生を困らせている。
骨髄ってことは、骨でしょ?骨ってことは太い針使うんだよね...




そう思うと自然と涙が出てきて、止まらなくなっていた。





コンコン





「優衣ちゃん!
夕食持ってきたよ、優衣ちゃん大丈夫??
もしかして、明日怖い??」





そう言って佐々木さんが背中をさすってくれた。やっぱり看護師さんだ。佐々木さんだからってこともあるけど叶夢先生とはまた違う安心感がある。





「佐々木さん...私病気なの?私死んじゃうの?私たくさん我慢したよ?施設で最初馴染めなくて、施設の人にたくさん迷惑かけたでも頑張ったよ??でも、そんな私だから、」





「だから、私にバツを与えているのかな?」






「優衣ちゃん、それは違うよ?優衣ちゃん
最近すごく頑張ってるじゃない!優衣ちゃん叶夢先生とも、私とも話せるようになったでしょ?それは優衣ちゃんがちゃんと自分と向き合ってるからだよ?」




「でも、じゃあなんで、...」





「優衣ちゃん、もしかしたら神様は優衣ちゃんにきっかけをくれているのかもよ?」




「きっかけ??」





「うん、きっかけ。
優衣ちゃんがこの病気を乗り越えたら優衣ちゃんは、すごい達成感があると思う。その達成感を味わって欲しくて、神様は残酷だけど
優衣ちゃんにこの試練を与えたんじゃないかな。」






「でも、私負けちゃうかもよ?
それに、私治療とか大嫌いだから、先生達に沢山迷惑かける。」






「大丈夫。そんなとこはちゃんと私がサポートする。私じゃなくても叶夢先生もその他の先生もみんな優衣ちゃんの味方だよ?」





「じゃあもし、私が叶夢先生のことを好きだったら佐々木さんは、応援してくれる?」





「うん!もちろん!優衣ちゃんいつも頑張っているんだから!」






< 31 / 100 >

この作品をシェア

pagetop