予告動画
そして、その日の夜。再び駅前の公園にA組の生徒たちが集まった。もう指折りで数えられるほどクラスメイトは少なくなってしまった。
「ねえ、みんな気づいてると思うけど、あと8人ってことは、ひとりだけ生き残るってことだよね?」
そう言ったのは、磯山さんだった。
鈴木先生が亡くなり復讐対象者はひとり減ったけれど、磯山さんの言う通り、現在のクラスメイトは9人なので実質ひとりだけ制裁されないということになる。
「じゃあさ、そいつが幾田と手を組んで動画を再生し続けてるってことなんじゃねーの?」
行儀悪く地べたに座っていた森元が言う。
「つまりこの中に裏切り者がいるってことだろ」
まるで自分は違うといった態度で、森元は私たちのことを睨み付けた。
戸上さん、池谷くん、鈴木先生。
動画を再生しなければ防げたはずの死が、誰かの手によって妨害されていることは明らかだ。
その誰かを突き止めない限り、予告動画を回避することはできない。
「じゃあ、とりあえず怪しいと思う人を順番に言っていくっていうのはどう?私は木崎さんが怪しいと思うけど。だって、前に幾田の味方してたじゃん」
私をいの一番に名指ししたのは、畑さんだった。