予告動画



森元とちづが……?

あ、ありえない。


だって、学校でも森元は怖いからと極力近づかないようにしてたし、中学からの知り合いだったなんて話は一度も聞いたことがない。



「まあ、信じなくてもいいよ。小島さんあの頃と雰囲気違うから私も確信があるわけじゃないし。でもこの前、森元をかばうようなことをしてたから、もしかしてって思っただけ」

そう言って、畑さんは歩きだす。



「……畑さんっ!」

今度はちゃんと引き止めることができた。


きっと私は畑さんを救えない。

それがたまらなく悔しいけど、後悔だけはしたくないから。



「私、畑さんのこと苦手だったけど……。すごくすごっく苦手で、性格も悪いなって思ったことも何度もあったけど、嫌いだって思ったことはなかったよっ!!」


畑さんと言い争ったこともあったけど、最後に追いかけてきてよかったって今は思ってる。



「はは、やっぱり木崎さんはお人好しだね」

はじめて畑さんは私に向けて笑ってくれた。



それが、畑さんを見た最後の姿。

彼女は次の日、人気がない空き地で見つかった。


全身が焼け焦げていて、唯一残っていた歯型でしか畑さんだと証明できないほど、灰に近い状態だったらしい。



【あと3人】


幾田さんから届いたそのメッセージを、私は悔しさと悲しさと儚さが入り交じった気持ちで、何時間も見つめていた。


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