予告動画




――『あんたが親友だと思ってる小島さんって、本当に信用できるの?』


ふと、畑さんの言葉が頭に過る。



疑っているわけではない。でも思えば私はちづの昔の話は聞いたことがない。

以前、中学の卒業アルバムを見せ合おうということになったけれど、結局私だけが見せてちづは『どこに閉まったか忘れちゃった』と誤魔化した。


ちづのことはなんでも分かってるって思ってたから、分からないことがあると、たまらなく不安になる。



「き、木崎さん、あれって……」


前園さんがブランコを止めて指を差した。

それは公園の前の遊歩道を歩く男女の姿。私はそのふたりを見るなり、走って近くまで行った。



「な、なんでふたりが一緒にいるの?」

声が上擦る。だって私の瞳に映っているのは……。



「あ、あず」

慌てているちづと。



「なんだよ、木崎かよ」

不機嫌そうにため息をはく森元だったからだ。



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