予告動画
心の中で渦巻いていた不安が、じわりと押し寄せてくる。
「……用事って森元と会うことだったの?」
「………」
ちづはうつ向くだけでなにも答えようとしなかった。
「そんなに小島、いや千鶴ちゃんを責めるなよ」
森元がわざとらしくちづの名前を呼び、馴れ馴れしく肩を抱く。ふたりが一緒にいることも信じられないのに、親しげに身体に触る森元をちづは拒否しようとしない。
「……ちづ、どういうことなの?」
説明してくれなきゃ受け入れられない。
「どういうことか俺が説明してやろうか?」
「あんたには聞いてない」
「こわー」
ゲラゲラと茶化しながら笑う森元の腕を前園さんが掴む。
「木崎さん、森元のことは私に任せて」
そう言ってちづから引き離してくれて、「は?てめえ、なんなんだよ!」とキレる森元を無視して前園さんはそのままどこかに連れ去ってくれた。