予告動画
「木崎さん、平気?」
森元から離れた私を前園さんが迎えにきてくれた。ちづも心配そうにしてくれてるけど、傍には寄ってこなかった。
洋服に森元の匂いが付いてしまっている。胸焼けしそうなぐらい気分が悪い。
「ま、前園さん……。森元、今日死ぬかも」
「え?」
「自分の死ぬショーがはじまるって……」
あれは私をからかってる言い方じゃなかった。
だから、こんなに部外者の人たちをここに集めたの?
イカれてる。信じられない。
でも森元なら、やりかねない。
「なあ、まだなにもしねーの?そろそろ飽きてきたんだけど」
「分かる。暑いしどっか行きたいよねー」
森元の友達たちが次々とダレはじめてきた。そんな中で森元はついに動きだして、みんなから見えやすいように公園の中央に立った。
「大丈夫。絶対に面白いことが起きるから」
そう言って、両手を広げる。そして……。
「ほら、きた」
森元がほくそ笑みを浮かべた瞬間、ザクッと素早い刃物のような音が響く。
この場にいる全員の瞳に映る噴水のような血しぶき。
気づいた時にはもう、森元の右手は公園の草むらに飛んでいた。