予告動画
私はゆっくりと立ち上がり、眩しい朝日を背にした幾田さんの顔をまっすぐに見た。
「任せて、とはまだ胸を張って言えないけど、私は幾田さんの想いを忘れない。幾田さんがしたことも、みんながしたことも、A組という私がいたクラスのことも」
ひとつひとつを胸に刻んで、ひとつひとつを抱えていく。
「ありがとう、木崎さん」
ずっと苦しそうにしていた幾田さんが、少しだけ微笑んでくれた。
その瞬間、太陽の光に包まれるようにして、幾田さんの姿が消えた。
私は涙を拭く。もううつ向いてはいられない。
自分の背負ったものに押し潰されないように強くなろうと、幾田さんが消えた屋上で、私は強く誓った。