予告動画
もうこの通知音に恐怖しかないので、一気に心臓が縮み上がる。
おそるおそる確認すると……メッセージは鈴木先生からだった。
【明日はA組の生徒だけが学校に登校することになりました。授業はありません。一旦全員が理科室に集まり、隣の実験室で警察の人から事情聴取が行われる予定です。時間は普段どおりなので、皆さん気を付けて学校に来てください】
メッセージはそんな業務的な内容だった。
暫く教室が使えないことも、全校生徒が自宅待機になることも、なんとなく想像がついていた。
期末テストも終わり、あと一週間で夏休みだから、おそらくこのまま1学期を終えることになると思う。
……それにしても鈴木先生は、相変わらず他人行儀。
高野くんの姿を見てしまった私たちへの心配はないし、精神的なダメージの深さを配慮して『事情聴取は後日にしてください』と、警察の人に言ってもくれない。
まあ、そんなケアができる優しい人なら、幾田さんのいじめはあれほどひどいものにはならなかった。
〝あの時〟私はどうしたら良かったんだろう。
いつか幾田さんに謝ろうと思ってたのに、そのいつかが永遠に訪れないまま彼女は屋上から飛び降りてしまった。
私もできることなら、幾田さんとコンタクトを取りたい。
でも、きっとなにもかもが手遅れ。
幾田さんの憎悪がここまで広がってしまったのは、私がちっぽけな正義感で――。
いじめのことを校長先生を含むすべての教師たちに訴えたからだ。