花に恋するチューリップ
答える間も無く花井は奥へ去って行った。
そして直ぐに俺の目の前で立ち止まった。
花井の手の中には、小さな箱があり、その中からオレンジやピンクや白など、色とりどりの華やかな花が顔を出して居た。
...けど匂いが無い。造花?
「あ、お見舞いのマナーとして生花はあまり良くないとされてるの!だからこう言った感じのが良いかな〜って」
そんな事知らなかった。
やっぱり花屋に行ってお店の人に聞いて正解だった。
「さんきゅ。んじゃまた」
お金をそそくさと払って店を出た。
何とも別世界の中に行った感覚になった。
「まあ、可愛らしい!これ花が選んだの?」
母さんはすごく喜んでくれた。説明するのも面倒だったから適当に返事をしていた。
____
そのあと家に帰り彼女を呼び出し...
朝目が覚めると、もう完全に昨晩で気持ちが冷めた事に気付いた。
全然楽しくなかった。
「ん...あ、花おはよぉ〜」
「あー、わり。用事あるでもう帰って」
「ぇっ...え?!朝の10:00から?!何それ!信じらんんない!」
あー、高い声で朝から隣で叫ぶなよ
「じゃーもう別れて」
言葉を捨てるようにそう彼女に言い放った。
泣きながら着替えて家を飛び出した姿を見ても、何も思わない。
次の彼女は他校にしようかな。同校だと色々めんどくさそう。