花に恋するチューリップ


「大丈夫、怒ってないし。ただ危ないだろーよ。女の子一人じゃ」


「花くん居なかったら大変だったかも...気をつけるね」


夜の月明かり。
それだけでも分かる花井の透明感。

何かに惹かれるが____未だ不明だ...



まだ会って2回目で、しかも数時間しか喋って居ないのに。

多分今まで周りにいなかったタイプだからだろう。



___もう夜も遅いから、花井の家まで送る事にした。

前の花屋さんなら歩いて30分くらいだろう。



「そう言えば、“花井”と“花くん”って呼び合ってるけど、お互いの名前に花が付いてるのって何だか面白いね」


いつもはこんな事で笑ったりしないが、今日は気分が良いのかな...ついつい笑ってしまう。




話しながらだと30分に道のりもすぐに終わってしまう。

「送ってくれてありがとう!また月曜、学校でね」



あっさりとした挨拶で別れを告げられた。

まあ特に深く関わるタイプでもなさそうだし、どうでも良いと思った。



俺もむやみやたらに女を選んでいない。

さすがにああ言うタイプには手を出さない。

明るくて、もう俺の事好きーって全開に出してくる女子がタイプだし、それに顔もタイプじゃない...
胸ももっと欲しいな。



色々考えながらも家に着くと、久々騒いだ事もあってすぐに寝れた。



____


〜♪



朝の目覚めは結構良い方だけど、今日は悪かった。

何故だか電話の着信で起きるのは癪に触る。



『ねえ、お前もしかしてまだ寝てた?もう13:00だぜ』


「なんだよ、わりぃかよ。んで要件は?」


『おー怖ぇな〜。あ、昨日の花井さん?って言う子の連絡先知らねーの?』


「そんな事で電話してきたのか?!...知らねえよ」



要件もすごくどうでも良いものだった。

花井の連絡先...俺も知らねーな。
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