貴方の背中
偶然
最初は欲しい懸賞が載っていたサイトに登録しただけだった。
「っと…ニックネーム?あぁ面倒臭いなぁ…でもこれ欲しいし…名前を平仮名で入れときゃいいか…」
約五分かけて質問事項を埋めていく。
「『さおり』よしっと…早速メールだ。」
内容は登録受け付けしたというものと…
自動的に登録されてしまった出会い系サイトの説明だった。
普段からそそっかしい私は、そんな細かい所を見ないまま懸賞を見て応募していた。
「あれ?メールだ…えっ?えっ?なにこれ?」
ほんの1~2分の間に立て続けにメールが入る。
驚いて受信ボックスを開くと…出会い系サイトからの男性のメールだった。
「さおりちゃん今ヒマ?…」
「はじめまして…」
「遊ばない…」
「こんばんは…」
「…」「…」……
あまりに沢山のメールにパニックになりながらサイトに繋ぐ。