貴方の背中
親友


デスクに戻るとクミの怒鳴る声がしていた。

「ふざけんな!そんなんだから社長に相手されないのよ!」


ん?何の話し…


デスクに戻って唖然


CD割られてる…

「嘘!どいて」


PCに駆け寄る私に犯人であろう数名が逃げようとする。

「逃がさないからね!係長!」

クミに使われる山岡さんも可哀想だけど、今はそれどころじゃない。

青い顔でPCの確認したらデータを全て消されてた。

「あんたたち「クミありがとう」」


無言で山岡に取り押さえられた三人に近付き頬を張る。

「気に入らないことは直接言いなさい!こんなことしたら、営業の仕事の流れを乱すのよ?会社全体の損失を貴女方が全責任を負えるの?貴女方のクビ差し出す程度の軽いものじゃないのよ!」


私は普段は何も言わない。

デスクで怒ったのも初めて


明らかに嫌がらせとわかるクレームにも何も言わずにいつも処理している

だからデスクの空気が固まった。


頬を張られた瞬間に反論しようとした女の子達も私に怒鳴られて ただ泣くだけ…

「サクちゃん…この子達もうしないよ。それより…」


「係長の方に途中までのデータありましたよね?」

「ああ…」

「仕事に戻りましょ!」

「…あ…あの…」

泣きながら何かを言おうとしてるけど、そんなの聞いてる暇ないよ


「私は貴女方と遊んでる時間はないの。早く仕事に戻っては?」

脅えたように私を見て出ていく後ろ姿に山岡係長が


「この事は須藤課長に報告しておくから…」

冷たい声で言う。


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