コーヒーに砂糖とミルクを注ぐ時
知らない人の声がした。振り向くと、後ろに制服姿の女の子が立っていた。

感情を失っていても、恐怖を感じた。私は後ずさり女の子と距離を取る。

「あなた誰？いつからこの部屋にいたの？」

私が部屋に入った時、鍵をきちんと閉めたはずだ。ということは、この女の子はずっと前から部屋にいたことになる。

「不法侵入で警察を呼びますよ？出ていってください！」

かばんからスマホを出し、女の子を脅す。しかし、女の子は顔色を全く変えない。

「お巡りさんは私を逮捕できないよ。だって、私はもう死んでいるからね」

「はあ？そんなバカなことを……」

「それより！私はずっと言いたいことがあってあなたに会いに来たの！！聞いてね」

女の子はコホンと咳ばらいをする。

「私の名前は灰原紫乃！あなたのカフェの常連客、青木光の恋人……かな？」

なぜか疑問形で紫乃さんは言った。

青木光さんはたしかに彼女の言う通り、カフェによく来てくれている。教師として働いている。

しかし、私は紫乃さんを一度もカフェで見たことがない。
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