【短編】花音
次の日
「今日は居ないよな……。」
僕はそう思いながらも、あの桜の木から少し離れた木の下に座り、いつものように練習する。
ポロン…
「貴方っていつもここに来て練習しているよね。」
「…うわぁ!!」
僕は驚きのあまりに後ろの木に頭を打ち付けてしまった。
「いてぇ……。」
「大丈夫?」
花音は僕の驚きに不満そうな顔をしながらも言う。
「あぁ。」
「練習してるのなら手伝ってあげる。」
「い、いいよっ!」
「遠慮はしないでいいのよ?」
「遠慮なんかしてねぇよ!」
「じゃあ良いわね?」
「もう勝手にしろ……」
半強制的に花音は僕の練習に参加した。