お姫様の幸福
「柚里、行こう。あいつら待ってるし」

「あ、はい」

あたし達はフリーズしたお兄ちゃんを置いて歩き出した。

保健室につくと養護教諭の鈴原先生がいた。

「あらー?手なんかつないでついに付き合いだした?」

鈴原茜(すずはらあかね)先生は美人な顔をニヤニヤと崩す。

「違います。柚里の手当てお願いします。」

「なんだ。つまんないの」

鈴原先生は見た目は20代だけど実際は40すぎの詐欺のような容姿と明るい性格で生徒に人気があった。

「今田君心配症ね~。このぐらい大丈夫なのに」

「ですよね~」

あたしと鈴原先生は意外と仲が良い。

「先生、養護教諭がそんな発言していいんですか?」

「いいのよ。校長に聞かれなければ」

呆れた性格だけどあたしは結構鈴原先生が好き。

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