お姫様の幸福
「早くお昼食べようよ~!」

七瀬が膨れた。

「わかったよ…。」

あたしは座ると手に持っていた弁当をひろげた。

「いっただっきまぁーす」

今日のメニューはミニハンバーグとベーコンのアスパラ巻き、玉子焼きにサンドイッチ。

「あっ柚里、玉子焼きくれっ」

「大和の弁当にもあんじゃん!」

「お前の味好きだもんよ~」

ともぐもぐ玉子焼きを食べる大和。

実はあたしは料理全般が得意。

「じゃあ大和の玉子焼きもーらいっ」

「あ、てめっ」

大和の玉子焼きを食べるとものすごくしょっぱかった。

「……大和、これ誰が作った?あんたのお母さんじゃあないわよね」

小学校からの腐れ縁だから大和のお母さんの味は知ってる。確か甘い味付けだった気が…。

「あぁ、それ俺が作った」
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