お姫様の幸福
「あれ?男の方って野田武巳じゃん」

蜜が指差す。
よく見るとそう見える。

「ごめん。俺好きな人いるから」

「それって一組の会沢柚里のことですか!?」

あたしの名前が出てきて嘉雅先輩が立ち上がった。

「どうしたんですか?」

「三階降りてあっちに行く」

ようするにあの告白現場に乱入するってこと。…ってえぇ!?

「ちょっと待って下さい!なんでです?」

「あのままほっとくとあの女の子絶対柚里のこと悪く言うだろうし、あの野田武巳も気に入らないから殴ってくる」

「えぇ!!」

そう言い残し先輩は屋上から出て行った。
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