お姫様の幸福
「えー…」

取り残されたあたし達はただ告白現場を見ているしかない。
だって外に出たらいつ旭や慎吾に会うか解らないし。

「あんな子のどこがいいんですか!?」

あんな子とか言われちゃった…。

「会沢さんは、かわいくて、明るくて…とにかく全部好きなんだ」

「だって。よかったな」

大和に肩を叩かれる。

「私、同じクラスだから知ってるんです!よく男子とケンカしたり、女の子から告白されるなんてしょっちゅうです!」

「そうなんだ…」

妃花里先輩があたしを見る。
確かに月1で女の子から告白されてる。
でも断ってるんだから別にいいと思う。

「それに同じクラスの小野大和と付き合ってるんじゃないかとか二年の今田嘉雅先輩と付き合ってるとか噂されてるんですよ!?」

「えぇっ、そうだったの!?」

「俺も知らなかったんですけど!」

「まぁ入学当初から流れてたね、大和の方は」

飛鳥が答える。

「嘉雅の方はここ一週間で流れだしたよ~?」

瀬奈先輩も答えてくれた。
嘉雅先輩はまだいいとして大和はなんかムカついた。

「武巳君の告白のあとだって加藤旭君と松井慎吾君から告白されたんです!」

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