お姫様の幸福
あたしは言葉を濁すけど麻由美はまだ睨む。

「つ、付き合って下さい…あたりから」

「ほぼ最初からか…」

武巳君は苦笑いした。
そこで嘉雅先輩がやっとつく。
…余計な物を引き連れて。

「悪い、いつの間にか付けられてたらしくて…」

「よぉ柚里!」

「会沢、毎日毎日逃げやがって…」

慎吾と旭はにこやかに近づいてくる。
微妙に背後に黒いものが見える気がした。

「毎日ここに来てたんだぁ」

「しかも大和と嘉雅先輩まではいいとして、野田武巳まで連れて」

「ひっ」

あたしは引きつった笑顔しかできない。
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