お姫様の幸福
「ねぇ、柚里」

急に蜜の顔が真剣になる。

「柚里は大和のこと、好きになったりしないよね?」

「なによ、いきなり。あるわけ無いじゃん。」

あたしは笑いながら答えた。
だってあたしが大和のこと好きになった所なんか想像できない。

「そう言って、七瀬も大和を好きになったんだよ。あたしがまだ片思いのころに。…柚里はそんなことないよね?本当に大丈夫だよね?」

蜜は泣きそうな顔でじっとあたしを見てきた。

「大丈夫。ぜぇったいないから」

そう言うと蜜は安心して笑い出した。

「そうだよね。柚里は大丈夫だよね」

「そうだよ!だってあたしと大和だよ?恋なんかとは無縁だし!」

2人で笑いながら図書室を出る。








大和とのことを聞いた時、傷ついたことを必死で隠して
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