お姫様の幸福
「柚里さえ良ければ」

「よくなぁぁぁぁい!!」

「お兄ちゃん!」

お兄ちゃんはあたし達の間に立って嘉雅先輩を睨んでいる。

「いぃまぁだぁ、よくも俺の大事な妹に手を出したなぁ!」

「ゲーム抜け出すなよ!まだ1分あんだろ!?」

「ゲームなんてどうでもいい!このうらみはらさでおくべきか!」

「お兄ちゃんやめてよ!別にお兄ちゃんに迷惑かかってないし、関係ないでしょ!」

またもフリーズしたお兄ちゃんを同じグループの人が引っ張って行った。

「ごめんなさい。いつもいつも迷惑かけて…」

「いいよ別に。それより返事は?」

「…あのぉ…」

あたしは返事に困った。嘉雅先輩のことは本当にわからないから…。

「先輩、すいません。先生に呼ばれてるんです。失礼します」

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