お姫様の幸福
あたしは素直に後ろに乗る。

「うぉ、重い…」

「るっさいなぁ!やっぱり降りるっ」

「嘘だって!!暴れるな、転ぶっ」

ぎゃあぎゃあ騒ぎながらあたし達は会場に向かう。
はたから見たら朝から騒ぎまくって2人乗りしてる変な高校生だろうな…。

「大和、坂、ギャー!落ちる落ちる!」
「いやっほう!」

坂も飛ばして一気に会場の前につく。

「良かったぁ、間に合った」

中に入るとまだ練習時間で試合は始まっていなかった。

「おー、やってるやってる」

大和があたしの横に座った。

「あれ、大和帰らないの?」

「帰って欲しいのかよ…。どうせ邪魔ですよ…」

「そうじゃないわよ!でも予定とかないの?」

「ないよ。旭と慎吾は部活だし、他の友達は彼女とデートか合コン。女に飢えてんだよあいつら」

「蜜は用事あるの?」

「あー、家族で出かけるって言ってた」

「ふーん」

珍しいなぁ…。
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