お姫様の幸福
またケンカが始まる。それを止めたのは他のクラスの男子だった。

「あの、会沢柚里さん居ますか?」

「へ、あたしですけどなにか?」

よくみると隣のクラスでイケメンと有名な野田武巳(のだたけみ)君だった。

「あの…、よかったら俺と付き合ってください!!」

一瞬クラスの空気が固まった。

「…………はい?」

あたしは自分でも間抜けとしかいいようがない声を出す。

「罰ゲームですか?ご苦労さまです。」

思わずそんな返事を返すあたし。
だってそれ以外有り得ない。

「俺本気です」

クラスから悲鳴が聞こえてきた。
多分武巳君のファンの子だろう。

「返事、待ってますから!!」

それだけ言い残して自分のクラスへ帰って行く武巳君。

「何だったの…?」

あたしは蜜達の方を向く。

すると蜜達女子組は目をキラキラさせてあたしを見ていた。
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