Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「僕は彼を理解したいなんて思わないよ」

抑揚のない声に、薄らとかいた汗が一気に冷えていく。

「僕は愛乃のことだけ、わかっていれば充分だから。
愛乃も高鷹なんか理解しないで、僕のことだけ考えていればいい」

「……はる、くん?」

……怖い。
怖い、怖い、怖い、怖い。

もしかして今回の件は春熙が仕組んだんじゃないだろうかなんて、ありえない考えがあたまを掠めていく。

「愛乃はこれからもずっと、僕だけのものなんだから」

なにも映さない、硝子の瞳の奥はどこまでも真っ暗で。
私をまた、籠の中へと引き戻す――。
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