Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
――いま、私が考えていることなんて気づかせちゃ、ダメ。


「じゃあ、また後で」

「うん。
はるくん、お仕事頑張ってね」

甘えるように彼の首に手を伸ばすと、春熙は身体を屈めて私の方へと顔を寄せてくれた。
その唇に自分から唇を重ねる。

「いってらっしゃい」

小悪魔的に少しだけ首を傾げ、にこっと笑ってみせる。

「……いってきます」

初めて私からキスしてもらえたからか、春熙は顔をほんのり赤く染めて去っていった。
きっとこれで今日はご機嫌なはずだから、少しくらいは許してくれるはず。

「おはようございまーす」

「おはよー」
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